日中戦後外交秘史から考えるプラットフォームと当事者意識
更新日:2021年9月17日
歴史の当事者として勇気を持って実践したことが書かれている本
それが「李徳全」〜日中国交正常化前に黄金のくさびを打ち込んだ中国人女性〜です。

衆議院会館で出版記念イベントが開催され
そして約2年半後の2020年3月に「日中戦後外交秘史」〜1954年の奇跡〜が出版されました。

忘れもしない2020年1月、著者の林教授から私の携帯に電話がかかってきます。
「お元気ですか?いよいよ李徳全女史についてまた別の本が出版されることになりました。李徳全研究会の皆さんにご報告したくて、ご連絡いたしました。」
明治大学と北京大学の教授たちが連携して、一冊目の「李徳全」に次いで書き上げられた
感動の本が出版されました。
物事は、解決すべき課題や目標が見えるとき
人々はその目標解決や達成に向けて思いを示し
スケジュールを立てて
その実現に至るまであらゆる努力をしていくものです。
日中戦後外交秘史を改めてじっくりと読み返しながら
現代版の日中友好ブームのヒントととなる出来事が発見でき
無理だと思えるような目標やプロセスを先人たちが
ありとあらゆる努力と工夫と知恵を絞って協力しあい
達成に向かう姿勢を見ると
感動が溢れてきます。
私たちは歴史を学ぶとき
当事者意識を持てるかどうかで
それは、観客、もっと悪く言えば傍観者か
演者側に立つかで見える景色が違うのだろうと思います。
このプラットフォームは歴史を当事者とし参加する意識が必要です。
それでパズルのように映画のように完成の希望と結果を見れます。
皆が、野球の4番バッターやサッカーでいう10番、主演ばかりではないです。
2時間ほどの素晴らしい映画のエンディングロールに
出てくる人たちの名前は覚え切れないほど掲げられています。
映画「ラストサムライ」を拝見して
その内容も好きでしたが、一番はっとさせられたのが
僅か2時間ほどの作品を作り上げられるのに要した時間はもちろんのこと
様々な職種の人たちが仕事をして一つの作品が成り立っていることを見て
私たち一人一人もそうだなと思ったものです。
そこにいるみんながいて一つの素晴らしい作品、ゴールを見れる。
パズルもそうで
一つ一つが何なのかわからなくても
つなぎ合わされて、それが完成に向かうプロセスで感動が増し加わっていくのでしょう。
前述した「日中戦後外交秘史」
戦後、日本と国交のなかった新興中国である「中華人民共和国」と
赤十字が窓口となりながら
しかも、中国の李徳全女史と日本の島津忠承氏が奮闘しながら
日本人の抑留者、戦犯の帰国が実現し、完成していきます。
李徳全女史の日本訪問が抑留者、戦犯の帰国の完成に至るその感動のドラマは
李徳全女史たちが日本に到着して一気にボルテージが上がります。
戦犯名簿を日本に持ってきた発表することですら日本の留守家族にとって期待感があるのに
李徳全女史訪日実現後になされたのは名簿の発表と「釈放」の知らせでした。
名簿の発表と釈放のニュース。
情報や思いやビジョンを人々に知らせることは誰にでもできても
それを貫徹させるまでのプロセスは
汗も涙も苦労も誤解もすれ違いも停滞も後退もありながら
それでも諦めない人たちがそれに向き合い続ける中で
やがて感動の瞬間が訪れるのです。
そして、この感動の訪問が廖承志と高碕達之助両氏によるLT貿易を生み出します。
「李徳全」、「日中戦後外交秘史」を読ませていただくとき
人生に大事なことを学ばせていただきます。
千里の道も一歩から。
歩けば道ができる。
この日中草の根プラットフォームのお知らせを受け取ってくださる皆様には
ぜひ、この歴史的感動の二冊をお勧めします。
恥ずかしながら以前私もニュースなどで中国に対してのイメージが偏っていたとき
李徳全女史の1954年の新聞記事を読ませていただいて
私の中国へのイメージが180度変わったのです。
一人のマイナス行動が行ったことのない国のイメージを作ってしまうように
一人のポジティブで、愛ある行動も
まだ見ぬ国、まだ見ぬ人たちへのイメージを変えることができるわけです。
人の粗を探すことより、人の良い部分を引き出していけるなら
戦争ではなく、分け合い、助け合う社会がより広がっていくのでしょう。
日中草の根プラットフォームチーム
歴史から学び、歴史を作っていくチームとして成長していきたいと切望しています。
何か偉業をなすことよりも、与えらた機会や出会いを大切にして
それを継続していくことの延長に
様々な感動のドラマが展開されるのだろうと
歴史から学んでいます。
草の根のためにやるとき
しかも、最も困っている人たちのために立ち上がり
実践していくとき
信じられないようなケミストリーが起きるのだろうと想像します。
温故知新とは素晴らしい言葉ですね。
私たち現代に生きる世代は何を学び
何を創造できるでしょうか。
次回、ネバーギブアップの精神で実現したプラットフォームスタートに至る
2014年の感動の一幕をシェアします。